Vidmir RaicによるPixabayからの画像
炭水化物はダイエットの大敵と思われていて、ほとんどの人は炭水化物を避ければ痩せると信じています。
確かに、炭水化物を食べすぎる人は太った人が多いと思います。でも、極端に炭水化物を排除するダイエット法は、正しいのでしょうか。
炭水化物抜きが流行りだしたきっかけ
2002年にドクター・アトキンスが出版した『Dr.Atkin’s New Diet Revolution』が、炭水化物を断つ流行のきっかけになりました。
『Dr.Atkin’s New Diet Revolution』
(左が英語版、右が翻訳)
?内容
アトキンスダイエットは、極端に炭水化物が少ないのだが、これがインシュリンの分泌を調整し、インシュリンの循環を減らすのに役立っており、そして少ないインシュリンは脂肪の蓄積をより減らし、食欲の減少という結果にすぐ結びつく
このダイエット法では、空腹を感じなかったと証言しているのだ。アトキンス博士の患者のうち、90%つまり25,000人以上が、劇的な体重の減少を体験している
90%、25000人が体重の減少を経験できたというのは、素晴らしいダイエット法に見えます。
炭水化物を抜くダイエットの危険性
アトキンス博士が提案する低炭水化物のレシピでは飽き足らず、炭水化物を摂らないことがダイエットへの早道であるかのような思い込みが生まれ、痩せたい一心で極端に走る人もいるようです。
もしも、炭水化物をほとんど摂らないダイエットを強行した場合、どんな健康障害を引き起こす可能性があるのでしょうか。
もちろん、一時的に体重は落ちるでしょう。しかしデメリットがあります。
そのテーマを扱った素晴らしいサイトを見つけたのでご紹介します。
?内容
- ダイエット効果は、水分の低下によるもの
- 炭水化物を断って、代わりに高脂肪食品に置き換えるとかえって太る
- 繊維の摂取が減って便秘になる
- 脳のエネルギー不足になり疲労感を感じる
- 口臭がきつくなる
- お腹がすかなくなる
- 糖尿病のリスクは減る
- 糖分がほしくなる
- 頭痛や吐き気、消耗といった風邪のような症状が現れる
- 抜け毛が多くなる
Vidmir RaicによるPixabayからの画像
?内容
炭水化物を避けると、体は燃焼させるためのグルコースがなくなってしまうため、ケトン症状態となり、代わりに体は蓄えている脂肪を燃やす。
しかしケトン症の副作用として、疲労感や頭痛、吐き気、めまいなどの症状が起こるし、息が臭くなる
炭水化物は体にとってエネルギーの源のため、炭水化物の排除は長続きしない。やめた途端に、体はグルコースにしがみつき、元通りに戻ってしまうことがわかっている。
炭水化物を一切排除すると、十分な繊維質(健康的な消化に不可欠)や鉄分やビタミンBなど他の必須栄養素を摂るのが難しくなる
ケトジェニックの副作用
?内容
ケトジェニック
強制的にケトーシスを起こすことで体が飢餓状態になり、疲労が生じたり、筋肉をエネルギー源として燃やしたり、体は生命維持のために脂肪をごくわずかしか燃焼させようとしないために減量が難しくなったりといった多くの副作用が生じる。また、ケトンが体内で蓄積すると、脱水や腎機能不全、血中の化学変化などの問題も生じる。
炭水化物を減らす代わりに何を食べるかで、健康への影響は違ってくるようです。ケトジェニックでは、良質な脂肪をとるようにしようと提案されています。
一番良いのは、サーモンやオリーブオイル、ナッツ類に含まれる一価不飽和脂肪で、悪玉のLDLを含むコレステロール全般を減らし、心臓の健康を改善してくれる。あるいは、かぼちゃやひまわりの種、くるみ、コーン油などに含まれる多価不飽和脂肪も、心臓病のリスクを下げるものだ。
まとめ
栄養について知識が少ない人でも、経験的にわかることです。
主食であるごはんやパンを食べないということは、ほかの食品、おそらくタンパク質や果物を多く食べるようになるのでしょうが、味付けの濃いものや油を多く使ったものを摂り入れれば、身体への負担は大きくなります。
エネルギー不足になった身体は、グリコーゲンを欲しがるので、ごはんが恋しくなり、誘惑に負けてダイエットをあきらめ、一気にリバウンド。
何のために苦労したのかわかりませんよね。
炭水化物を少なくすると、間食に甘いものを食べたい衝動を抑えるのに苦労するかもしれません。欲求に負けて間食が増えれば、本末転倒…。
腸活にも不都合が起きます。
腸内細菌の餌は食物繊維で、その多くは炭水化物の中に含まれています。炭水化物を摂らない代わりに、難消化性デキストリンやイヌリンなどを摂るかもしれませんが、高価ですしおいしくもありません。
ダイエタリーファイバーよりも炭水化物のほうが食事としても優れています。
炭水化物抜きをするなら、副作用があることも覚悟すべきだし、繊維不足などデメリットへの配慮、炭水化物を減らす代わりに食べるものは良い食品を選ぶこと。そして、リバウンドへの対策もぬかりなく実践するべきでしょう。
きちんと管理して行うならデメリットばかりではないのかな。
ただ痩せるために炭水化物を抜くという乱暴なものではなく、病的肥満の解消や糖尿病のコントロールなどの目的をもって行うならそのメリットは大きいと言えます。