34歳の急性心不全の原因は糖質制限だったのか~糖質制限は間違ったダイエット?50%未満の糖質制限は余命を縮めるリスク大!

「糖質制限で炭水化物からの摂取カロリー比が全体の3割以下になると死亡リスクが急増する」

この言葉をツイッターで見かけて、さらにこの言葉を検索にかけて情報を拾ってみました。

自分の中の糖質制限ブームはすでに去っていますが、巷はまさにブーム真っただ中、子供や若い女性たちがこのリスクの高いダイエット法を間違ったやり方で実践して死んでしまっては大変です。

そこで、糖質制限はどうして危険なのか、体にどれほど深刻な影響を及ぼすのか、調べてみることにしました。

代謝や免疫力の低下を招く?

免疫力低下を招くダイエット

体重減少のために陥りがちな、免疫力低下を招くダイエット

過度な断食、ファスティング
朝食抜きなどの欠食
・カロリー制限による食事内容の偏り
(体を冷やす食材ばかり食べている)
・栄養バランスの偏りによるビタミン・ミネラル不足
過度な糖質制限
・水分のとりすぎ
・就寝前の過度な運動(睡眠の質が低下する)

コロナ禍で、感染を完全に防ぐことが不可能な今、免疫力を低下させることはとても危険な気がします。

栄養バランスの悪い栄養不足の食事、体を冷やす食材ばかり食べること、過度な断食、過度な糖質制限は、確かに体に悪そうですね。

一時的に、目的をもって行うファスティングならともかく、糖質をほとんどカットする食事スタイルは、健康的なダイエットとは言えそうにありません。

糖質制限は寿命に影響するのか

では糖質制限が寿命に影響するということは、検証されているのでしょうか。

ARIC(30年以上の歴史を持つ米国の重要なコホート研究)
1987年から1989年までの間に米国の4つのコミュニティ(ノースカロライナ州フォーサイス郡、ミシシッピ州ジャクソン、ミネソタ州ミネアポリス郊外、メリーランド州ワシントン郡)で登録された45~64歳の15,428人を対象とした心血管リスク因子(Atherosclerosis Risk)の前向き観察研究

極端なカロリー摂取のある参加者(男性<600 kcal/日または>4200 kcal/日、女性<500 kcal/日または>3600 kcal/日)は対象から除外されているので、低炭水化物の食事をしている人は、炭水化物を制限する代わりにタンパク質や脂質の多い食事でエネルギーを摂取していると考えられます。

この観察研究の結果が、この図1

炭水化物摂取率55~55%群の総死亡リスクを1とすると、40~50%群ではHR1.12、30~40%群ではHR1.32、30%未満群ではHR1.58と大きくリスクが増加。

一方、炭水化物摂取率55~65%群ではHR1.01(95%CI:0.93-1.10)、65%超群ではHR1.15(95%CI:1.01-1.31、p<0.0001)と、炭水化物摂取が少ない場合と比べてもリスク上昇は軽度でした(図1)。

50歳以降の生命予後の試算からは、炭水化物摂取率50~55%の人の場合、平均余命は33.1年と推定。これを基準とすると、炭水化物摂取量40~50%の場合は1.0年短く32.1年、30~40%の場合は2.3年短く30.8年、30%未満の場合は4.0年短く29.1年。

炭水化物の総摂取エネルギーとの割合は、50~65%の範囲の人が死亡リスクが最も少なく、50%を大きく下回るほど死亡リスクが高い。そのことは否定できない事実のようです。この結果からみて、50%以上は炭水化物でエネルギーを摂取するほうがよさそうです。

このサイトには、江部先生と山田悟先生が、このデータに対してどう反応されたか書かれてました。明確には反論されなかったらしいですよ。

50%を炭水化物で摂るとは

例えば総摂取エネルギーが3000㌔㌍の人は、1500㌔㌍分が炭水化物でないといけません。炭水化物は1グラムで4㌔㌍なので、375g。(ご飯一膳180gの炭水化物は65gだから、5~6杯か…)おかわりしても大丈夫。

ただし、野菜や果物、調味料、もちろん間食にも炭水化物は含まれているので、それらを多く食べる人はご飯を減らさないといけません。

2000㌔㌍の人だと、1000㌔㌍分を炭水化物で摂取する必要があります。炭水化物は250gです。180gのご飯で、4杯弱か…)

女性で、デスクワークで特に運動を行っていない人なら1200㌔㌍ぐらいの食事量でしょうから、50%を糖質で摂ると150g、ご飯だけで摂ると400gで、お茶碗に軽く3杯です。なるほど、ちょうどいい感じですね。

食事を記録して、総エネルギーや炭水化物をどれだけ摂ったか調べるアプリ(カロミル等)がいくつかありますので、それらを利用して自分の食事が普通なのかどうか確認してみるといいですね。

もしかしたら、ご飯は減らしても、食事以外に菓子パンフルーツ、お菓子やスイーツを食べて、糖質を摂りすぎている可能性があるので、そういう問題点も記録することで自覚できるかもしれません。

糖質制限が原因で死ぬ危険性

まさか低糖質ダイエットをストイックに行って死んでしまう危険性があるとは知らなかった。

これは、ツイッターで拾った悲劇

友人がジムで糖質制限を推奨されダイエットに成功しました
ジムの契約期間終了後、貰った独自のマニュアル(糖質制限)を徹底した

停滞期が来て最後は葉物の野菜だけ食べて、朝ランニングと週1回のフットサルを繰り返し、最後は急性心不全で亡くなりました…

死因は糖質制限とは断定されておりません。

しかし糖質制限で血中遊離脂肪酸が増えるとミトコンドリアの電子伝達系にダメージを与えたり界面活性作用で細胞膜を破壊しやすくなるとも言われております。

さらに、有酸素運動によって遊離脂肪酸が増えて血液がどろどろになる。

アドレナリンの作用で血管が収縮するので、心臓に負担が増すとも言われます。

因みに娘の七五三の為にダイエットを頑張り、七五三の写真撮影が終わり帰宅後、眠いから寝る…と言って帰らぬ人になりました。
嘘の様な本当の話。

当時34歳若すぎる。

一部抜粋?

極端な糖質制限を行うと、エネルギー代謝は遊離脂肪酸のみとなり、常に血液中には過剰な遊離脂肪酸が存在することになります。 心臓は遊離脂肪酸にて心筋の興奮性が亢進し、不整脈を誘発する。場合によっては心室細動による心臓突然死の原因となります。心臓突然死の発症は、疫学的には午前中に多く、マラソン時に多いのが知られています。空腹時、マラソン時のエネルギー代謝は遊離脂肪酸であり、交感神経緊張状態の時に発症する共通点があります。

過剰な遊離脂肪酸は、心臓突然死につながる危険があります

最近流行っている過剰な糖質制限ダイエットでは、何十㌔と減量する人がいて、それをツイッターなどで知り肥満傾向の人が取り組むケースが多いようです。

それらの方々は、肥満によって糖尿病、高血圧、高脂血症などに罹っている人が多く、心筋梗塞を起こした時、糖質制限により血中遊離脂肪酸が高い場合に心室細動に移行しやすいそうです。

必ずしも糖質制限が原因で死んだとは診断されないかもしれませんが、極端な糖質制限をしていなければ死ななかった可能性が高いといえるかもしれません。

金森式ダイエットでは、糖質をほとんど0に抑える代わりに、脂質は無制限に摂っていいという減量法です。つまり、蓄えた脂肪を遊離脂肪酸に分解してエネルギーに変えるわけです。

これから金森式で体重を落とそうという人は、過剰な遊離脂肪酸は、心臓突然死につながる危険性があることを、肝に銘じてほしいと思います。

私のケトジェニック体験

自分は、金森式ダイエットを徹底して行ったわけではありません。徹底して行えない自分をふがいないと毎日責めていました。それでも、ケトジェニックは成功、BMI18を切るまで痩せました。

当時は低糖質を悪く言う人は少なく、勇気をもってツイッターで呟く人は、金森式の信奉者たちにひどいコメント攻撃を食らっていました。

結果として10㌔痩せて、若いころのBMIを取り戻したわけですが、自分の場合、一番痩せたのは糖質を35gに制限した期間で、徐々に糖質を増やしていきました。35gは総摂取エネルギーの14%ですから痩せるのは当たり前ですよね。

やはり糖質を摂るとすぐリバウンドするので、維持するには50gが限界なのかなと思っていました。50gでも20%ですから、あのまま50gの糖質制限を続けていたら今の自分があるかどうかもわかりません。

当時のことを思い出すと、明らかに副作用はありました。

睡眠不足が深刻になり、頭がぼんやりしてブログの記事が書けなくなりました。その時、叔母の痴呆症の原因がダイエットだったのを思い出し不安になったりもしました。

その後、徐々に「糖質制限は危ない」という情報をネットで目にするようになり、私の頭の中の洗脳(呪縛)は溶けていきました。

今は、普段は総摂取エネルギーを1000~1200㌔㌍、糖質は120~150gの範囲で加減することで体重を維持しています。

たまには食べ過ぎても数日で戻すことができるので、自分を責めることはなく、食事を楽しむようにしています。

必要な栄養素を欠かすことなく、健康的にダイエットする方法をお探しですか

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